蜂の巣駆除の相場を左右する最大の要因は、実は業者の選択以上に「発見の早さ」にあります。蜂の駆除費用は、巣の大きさと蜂の数、そしてその時期に比例して上昇していくという冷酷な法則があります。具体的に見ていくと、四月から五月にかけての春先、冬眠から目覚めた女王バチが一匹で巣を作り始める時期が、最も安く駆除できる黄金期間です。この時期の巣はまだ数センチのトックリ型や皿型で、中にいるのは女王バチ一匹だけ、あるいは数匹の働きバチのみです。作業のリスクが極めて低いため、多くの業者が基本料金の最低ラインである八千円から一万円程度で快く引き受けてくれます。しかし、これが六月、七月と進むにつれて蜂の数は数十匹に増え、八月から九月の最盛期には数百匹から数千匹に達します。巣のサイズが大きくなればなるほど、使用する薬剤の量が増え、作業員を増員する必要も出てくるため、相場は二倍、三倍と膨れ上がり、数万円の出費は避けられなくなります。つまり、春先に一度でも家の周囲を一周点検し、作り始めの巣を見つけることができれば、秋に支払うはずだった数万円のコストを数千円に抑えることができるのです。点検のポイントは、雨風の当たらない軒下、換気口、ガレージの隅、あるいは庭の生け垣の中などです。一匹のハチが執拗に特定の場所に出入りしているのを見かけたら、そこが営巣場所である可能性が高いと言えます。また、一度巣を作られた場所は、翌年も別の女王バチに狙われやすいため、昨年巣があった場所を重点的にチェックし、あらかじめ忌避スプレーを撒いておくことも、将来の駆除コストをゼロにするための賢い投資になります。蜂駆除の相場をコントロールするのは、他ならぬ住人自身の観察力です。手遅れになってから慌てて高い授業料を払うのではなく、早めの対策で家計と安全を守ること。これこそが、蜂との知恵比べにおける究極の節約術であり、最も確実な防衛策なのです。