「黒い蜂」の中には温厚なものが多いと説明してきましたが例外として警戒すべき存在もいます。それが「クロスズメバチ」です。地方によっては「ヘボ」「ジバチ」「タカリバチ」などと呼ばれ古くから食用として親しまれてきた歴史がありますが彼らはれっきとしたスズメバチ科の昆虫であり攻撃性と毒を持っています。見た目は名前の通り黒色がベースですが腹部に白や淡い黄色の細かい縞模様が入っています。キイロスズメバチのような派手な警告色ではないため草木の中に紛れると目立ちにくくこれが被害を招く一因となっています。彼らの最大の特徴にして最大の厄介ごとは「土の中に巣を作る」という点です。森の中だけでなく民家の庭や畑の土手、公園の植え込みなど土がある場所ならどこでも営巣する可能性があります。巣の入り口はわずか数センチの小さな穴であり一見するとアリの巣やモグラの穴と見分けがつきません。しかしその地下には巨大な空間が広がり数千匹の働き蜂がひしめき合っていることもあります。危険なのは人間が気づかずに巣に接近してしまうケースです。草刈り機を使っている時や子供が野原を走り回っている時、あるいはハイキング中に知らずに巣の近くを踏み抜いてしまった時に彼らは振動を感知して一斉に地中から飛び出してきます。彼らは執拗で集団で襲いかかり黒い服や髪の毛をターゲットにします。毒性はオオスズメバチほど強くはないと言われていますが刺されれば当然激しい痛みと腫れを伴い体質によってはアナフィラキシーショックを引き起こす可能性も十分にあります。また彼らは肉食性が強くバーベキューやジュースの甘い匂いに誘われて食卓の周りを飛び回ることもあります。この時手で払ったりすると反撃されるため注意が必要です。もし山歩きや庭仕事中に黒っぽくて白黒模様の小さな蜂が地面付近を出入りしているのを見かけたら絶対に近づいてはいけません。
地面の下の黒い悪魔クロスズメバチの危険な罠