大切に育てているパンジーやペチュニア、あるいはバラの葉が、いつの間にかレースのように透けていたり、無残な穴だらけになっていたりする。その犯人は、多くの場合、チョウやガの幼虫である「イモムシ」や「ケムシ」の仕業です。彼らは驚くほどの食欲で、柔らかい葉や蕾、花びらを猛烈な勢いで食べ進み、短期間で植物を丸裸にしてしまうことさえあります。代表的なものに、キャベツなどによくつく「アオムシ」や、夜間に活動し、昼間は土の中に隠れる「ヨトウムシ(夜盗虫)」、様々な植物を食害する「シャクトリムシ」などがいます。彼らから花を守るための最大のポイントは、成虫であるチョウやガが卵を産み付けるのを防ぐこと、そして、もし発生してしまっても、幼虫が小さいうちに発見し、早期に駆除することです。イモムシ類の駆除で最も効果的で確実な方法は、地道ですが「手で取り除く」ことです。彼らは、植物の色に擬態して巧みに身を隠しているため、見つけ出すには少しコツがいります。まず、食害されている葉の周りを注意深く観察してください。葉の裏や茎、葉脈に沿って、じっと動かずにいることが多いです。また、彼らの存在を示す重要なサインが「フン」です。葉の上や株元に、黒や緑色の小さな粒状のフンが落ちていたら、そのすぐ真上に犯人が潜んでいる可能性が非常に高いです。特にヨトウムシは、昼間は株元の土の中に浅く潜っているため、フンを見つけたら、その周辺の土を軽く掘り返してみると、丸まった幼虫を発見できることがあります。見つけ次第、割り箸などで捕まえて駆除しましょう。もし、大量に発生してしまい、手で取り除くのが困難な場合は、園芸用の殺虫剤を使用します。イモムシ類に効果のある薬剤を選び、特に葉の裏側にも薬液がしっかりと行き渡るように、丁寧に散布することが重要です。日々の観察の中で、小さなフンや食害の跡といった彼らのサインを見逃さないこと。その鋭い観察眼こそが、食欲旺盛な侵入者からあなたの庭を守るための、最強の武器となるのです。
気づけば穴だらけ!イモムシ類の見つけ方