好奇心旺盛で、地面をハイハイしたり、草むらで遊んだりすることが多い小さなお子さんは、時に大人以上にやけど虫の被害に遭いやすい存在です。もし、お子さんの体に線状の赤みや水ぶくれを発見したら、親としては冷静に対応し、適切な応急処置を施すことが求められます。まず、お子さんが患部を掻きむしらないようにすることが最優先です。大人が我慢できる痒みや痛みでも、子供にとっては耐え難いものです。無意識のうちに掻き壊してしまうと、毒液が周囲に広がり、とびひなどの二次感染を引き起こす原因にもなります。患部を冷たいタオルやガーゼで包んだ保冷剤で優しく冷やしてあげることで、痒みや痛みを和らげることができます。次に、患部を清潔に保つことが重要です。石鹸をよく泡立て、たっぷりの流水で優しく洗い流してください。ゴシゴシこすると刺激になるため、泡で包み込むようにして、毒液を洗い流すイメージで行いましょう。洗い終わったら、清潔なタオルで軽く押さえるように水分を拭き取ります。これらの応急処置を済ませたら、自己判断で市販薬を塗ったりせず、必ず小児科または皮膚科を受診してください。子供の皮膚は大人よりもデリケートなため、専門医による診断と、子供の年齢や体重に適した強さの薬の処方が不可欠です。病院では、炎症を抑えるステロイド外用薬や、痒みを抑えるための抗ヒスタミン薬のシロップなどが処方されることが一般的です。夜間に痒みが強くなることが多いので、寝る時には患部をガーゼで保護したり、爪を短く切っておいたりするのも、掻き壊しを防ぐために有効な工夫です。親としては、痛々しい我が子の姿を見るのは辛いものですが、慌てず、適切な処置と早期の受診を心がけること。それが、お子さんを辛い症状から一日も早く解放してあげるための、最善の道なのです。
お子さんがやけど虫に!親がすべき応急処置